大事なことは「食べて」もらうこと。
~先人が残した知恵と食文化を受け継いでいくために~
現在の打豆の姿
打豆はとくに福井県北部での知名度が高く、福井県全体では6割以上の知名度があります。
また、若年群に対し、高年群の知名度は80%と高くなっています。
特に高年群では打豆の食習慣になじんできたためか、「栄養的によい」「味がよい」ことを理由に普段食として打豆を食べていますが、若年群では郷土食としての生活に根付いた食習慣は少なくなっており、給食で食べる割合が高いようです。
入手方法については、昭和初期は各家庭で石臼の上でつぶして作られていましたが、現在は6割以上が量販店において購入しています。
高度成長期や終戦以降、打豆(大豆)を作る人がいなくなり、口頭継承が行われなくなったことも食体験の減少の理由と考えられます。
打豆の郷土料理
若い世代への食文化の継承を
現代は生活の多様化により、生活に占める仏事の割合も減少し、それとともに食文化は急激に変わりました。
特に近年は利便性、簡易性などが求められ、各個人の食にかける時間も減り、それとともに郷土食に対する興味や愛着も薄れてきています。
郷土食はその土地の人々の生活や習慣が長い時期をへて少しづつ培われてきたものです。人々の生活の知恵、歴史や文化がすべて詰まった集大成です。
そういった伝統食が失われるということは、そこに生きてきた土地や人々の歴史、智慧が消え去ってしまうということであり、それはとても悲しいことです。
そんな現代で、今私たち生産者が出来ることは何でしょうか?
それは、食文化や伝統料理を生産者から発信していくこと。
福井の伝統料理である「打豆」を、「打豆」の背景にある人々の暮らし・文化も含めて知ってもらうこと。
各地には、福井だけではなく、歴史を重ねながら静かに長く受け継がれてきた大切な郷土料理がたくさんあります。
食文化を継承し、その歴史を伝えていくためには、若年層への裾野を広げていくことと、何よりも「食べて」もらうことが必要だと高橋製粉所は考えています。
若い世代へ食文化を発信し、食べてもらう事が大事だと考えています
「大豆の未知なるちからは先人の知恵袋にあり」
株式会社高橋製粉所 代表取締役社長 髙橋英夫